クリニックの理念

院長

医師になって20年余りになります。
大学病院などで色んな患者さん、多様な症状を経験してきました。

病気の原因を特定するには、何よりも検査。
それは間違ってはいないと思いますが、それだけでない状況をいくつも見てきました。
人間の体はとても複雑です。
検査ですべてがわかるわけではない、
検査で異常が無くても、やっぱり痛みがある、不快感がある・・・
そんな症状に寄り添うのが「かかりつけ医」だと考えています。

人生には何度も転機があります。
年齢を重ねる、忙しくなる、仕事場を転属した、
それぞれ人によって"大きな転機"は異なるものです。
そのような人生の大きな変化の中で体が出す"サイン"、
それらが検査で異常と判断されないことは、良くあることです。
それは同時に「病気ではない」とみなされてしまいます。

我慢すれば、暮らしを続けることはできるかもしれません。
 ・めまいが起こりやすい
 ・下痢をしやすい
 ・便秘がちでお腹が張る
 ・風邪をひきやすい
 ・風邪をひくとひどくなってしまう
 ・ちょっとしたきっかけに動悸がする
 ・季節の変わり目になんらかの症状が起こる
これらの症状が、なぜかほかの人より起こりやすい。
でも、病気ではないと言われたから、我慢するしかない・・
その気持ちを持ち続けながら暮らすことは、とても辛いものです。

検査で異常が無いから医療は受けられない、そうでは無いはずです。
全国的に評判の専門医を訪ねたとしても、
その先生の専門医療が必要か否か、という判断になってしまうのが現状です。

体の不調の感じ方、体が訴えてくるサインは、人それぞれです。

そして近頃は、インターネットにあふれる情報を検索して独りで悩むかたも増えました。
テレビやネットでの声は参考程度に、信じ込まないことも大事かなと思います。
テレビではスポンサー等との兼ね合いがあったりするとすべては語れず、
お薬の情報も、製薬会社さんの立場で書かれた情報であることが実情です。
ネットでの薬や病気の話は、あくまで個人的な気持ち・感想が書かれたものです。
医師は直接"あなたの体"を診察します。
ここは大きく違うと思うのです。

長年医師として診療してきた中で、全く同じ状態の病気に出会ったことがありません。
体はひとりひとり違い、病気も同じように異なります。
「自分とまったく同じ病気がネットの中にあるはずがない、ということを知っていてください」
すべての方にこのメッセージを送りたいです。

ネットでたくさん勉強された患者さんもいらっしゃいます。
不安になるのは当たり前だし、
自分で調べて基礎知識を得る、そして自分の状態を解決しようと思う行動は、いけない事とは思いません。
でもそれは、どうしても最大で「医学生までの知識」でしかありえないと思います。
(医学生は基礎医学も学んでいますので、実はそこへの到達も難しいのですが)

有名な料理人が書いたレシピ、それを文章通りに作ってもそれだけでは同じ味にならないように。

医師によって言うことが違うのも、実は当たり前なのです。
患者さんの状態は日に日に変化しているわけですから。

私自身、同じアトピー性皮膚炎の方へのお薬や指導でも、病気の段階を踏まえてまったく別の生活指導をすることだって日常的にあります。

料理人の例をとりましたが、どの仕事でも同じだとは思いますが、
医師でも基礎知識を得た段階で診療を始めたばかりのものと、
基礎知識に基づいた経験に、更なる深い知識を何十年も積み重ねてきた医師では違いがあって当然ですし、私自身も研修医の頃とは見立ても処方も指導も変わっています。
仕事に誠実に向き合っていくことで、診療が熟練していく実感があります。

医療事故などはすばやく報道されることもあるので、患者さんのほうが私より早い情報を得ていることがあるかもしれません。
しかし、ニュースでは得られない情報を医師側がもっていることもあります。
医療事故で亡くなったかたのニュースの背景には、その対象のかたに実は別の致命的な病気の存在があった、もしくは他のみなさんとはかけ離れた状況下で起こったことだったなど、一般に報道できない情報が存在したりすることもあります。
患者さんの不安はきちんと誠実に受け止めたい、私はそう思っています。
しかしながら、患者さんと医師である私との知識には、実際のところ隔たりがあると実感することがほとんどです。

ご自身で知り得た医療情報は、統計や学問レベルでしかないことを理解された上で、
生身の患者さんに向き合ってきた専門家である医師に相談に来てください。

自分の体を常に調整・調節しながら、快適に暮らす、
それを応援することが私の役目だと考えています。
年を経て次々に起こる体の不調、
人生の移り変わりの中で起こっていく体の変化、
それらに医療のプロフェッショナルとして一緒に向き合いたい、
それが、私の医療人としての想いです。

医療機器は日々進歩しています。
大学病院にあるような先進医療機器が勢揃いしているわけではありませんが、
(クリニックの中では比較的充実しているとは思います)
今の症状でどんな病気が考えられるのか、
どの専門病院で、そのような検査をすれば安心できるか、
それでも症状が続く場合、その症状と付き合いつつ暮らす方法は・・
そこまで相談できる「かかりつけ医」であり続けたいと思っています。


それから・・・
このように真摯に患者さんと向き合う医療を行おうとするために、
流れ作業のように診療を進められず、
他クリニックに比べて待ち時間が多少長めになってしまいますので、
それを受け容れられる方のご来院をおすすめしたいと感じます。

患者さんによっては、丁寧な診察よりも時間をかけないことが大事な方もおられます。
そんなかたにとっての優秀なクリニックは、別にあるかもしれません。

できるだけ待ち時間を減らすためシステムを導入・変更したり、たゆまぬ努力は当クリニックでも行っていますが、
有難いことにみなさんに支持されていることで、
誠心誠意の医療を行いたい私の理念に付いてきてくれる当クリニックのスタッフは、他のクリニックより多忙なお仕事を頑張ってくれています。
最近患者さんからのちょっとした心無い一言に心を痛めております
患者さんに寄り添い「医療に誠実に」をモットーにしておりますと、
どうしても早くて便利なクリニックにはならないのです。
どうかお時間とお気持ちにゆとりを持って来院していただきたい、
それが私からのお願いです。

小児科への想い

はじめは内科医であった私ですが、全年齢の患者さんに寄り添いたいとの気持ちから、大学病院の小児科にて改めて研修を受け、内科・小児科医として診療しています。
小児診療では子供たちのひたむきな姿を見られる事、そして少しずつ子供たちのやれることが増えて成長していく姿を感じられ、私自身も癒されると同時に、やりがいを感じる毎日です。

マークの由来

マークの由来

中心に大きなクリスタルとそれを守るように寄り添うマーメイド。
それが当クリニックのマークです。

名前にもあります「クリスタル」は・・・
① 私のモットーである「医療に忠実に」を反映するべく「クリスタル」のように「透明な医療」であるように。
② 医療は「医師と患者間の間にお互いに信頼関係がなくては成立しない」との考えから、「クリスタル」のように固い信頼関係を。
③ 一般に「クリスタル」には「癒し(ヒーリング)」効果があるとされる。まさに当クリニックが医療機関として体も心も「癒し」の場所となれば。
・・・という意味をこめて名付け、マークにもクリスタルをデザインしました。


マーメイドについて
私自身が少しばかり絵画をしますが、海の近くの知多半島(愛知県)で生まれ育ったこと、またすべての生命の始まりは海から始まったという意味合いから昔より海や魚、クジラ、マーメイドのモチーフを好んで描いてきました。
マーメイドは海の中で宝を守り自然と調和して生きている、また、長寿とも不老不死に関わりがあるともいわれています。
当クリニックは女性医師のクリニックということもあり、私の好きな海のモチーフの中よりマーメイドを選びました。

当クリニックの意思がマークに込められています。みなさんに伝わるといいと思っています。

看板について

看板






交差点などにある看板のデザインが新しくなりましたが、実は看板に描かれている少し高齢の男女、若い男女、子供、そして赤ちゃんの絵は、私がデザインしたものです。

小児医療から一般内科の分野、高齢者特有の疾患まで幅広く診療する「総合医」という意味で「ファミリークリニック」と名付けた当クリニックですが、「内科・小児科」と書かれていますと、「赤ちゃんは診てもらえますか?」、ピンクが基調の看板のためか「大人もかかってもいいのですか?」などという問い合わせのお電話をいただく事が度々ありました。
そこで、当クリニックの「ファミリークリニック」の考え方を理解してもらうにはどうしたらいいかと考え、色あせ始めた看板の定期更新を期に、看板のデザインにこの全年齢の人々が描かれたイラストを加えました。

私は昔から絵画が趣味のひとつでした。中学時代には美術部部長を経験させて頂いたことなどもあって、すこーしばかり絵をたしなみます。そこで今回は、私のイラストを看板につけてもらい、少々にぎやかな看板となりました。

プロのイラストデザイナーとは比べ物になりませんが、当クリニックの雰囲気を表現している看板になったかなと自分ながら思っているのですが、いかがでしょうか?
実際にクリニックに訪れた皆さんの印象も「看板に偽りなし」でありますことを祈っております。

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